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 000927  旅日記その2 

 あまりの騒々しさに目が覚めた。カーテンをあけ下の通りを見ると、どうやらパレードが行われているようだ。トラックの荷台に積まれた巨大なスピーカーから流れる音楽は、32階のこの部屋までよく響いた。通りを埋め尽くす人々がまるで、もがき蠢く芋虫のようにも見えた。一昨日この国にやってきた時もパレードが行われていた。昨日も朝から晩まで街中に音楽が鳴り響き、そしてまた今日も朝からこれだ。この国は毎日がカーニバルなのだろうか。おかげでロクな観光も出来ず、目当ての買い物でさえままならない。さらに厄介なことに、ホテル近くのデリやレストランは臨時休業中、ファーストフードやカフェはパレードの客でごったがえしているので食事すらままならない。安ホテルにしたおかげでルームサービスも頼めやしない。窓の外からは相変わらずヒビ割れした音楽が鳴り響いている。このままここにいたらボクも気が狂って、あのパレードに参加する事になるのだろう。そして空腹で倒れるまで踊り続けるのだ。
 ボクはこの国を出る事にした。着替えと荷造りをすませフロントに降り、チェックアウトをする。表通りは踊り狂った芋虫でいっぱいだ。その間をかきわけステーションにつくと、ちょうど出発する便があったのでそれに乗ることにした。ホームから泊まったホテルの方を向くとちょうど爆発がおきたところだった。さっき部屋に仕掛けてきた爆弾が炸裂したようだ。ホテルはちょうど真ん中からポッキリと折れ、上の階が崩れ落ちるのが見えた。まわりのビルからも次々に火の手が上がった。
 それでもなおこの便が飛び立ちしばらくの間は、パレードの音楽が遠く聞こえていた。あの国の人々はいつどんな時にでもパレードで踊り続けているのだろう。
 つづく。



 000926B  旅日記その1 

 40分遅れでやっと動き出した。23:30発の予定だったから日付けが変わってしまった事になる。たぶんこの国ではこのくらいの遅れは当たり前なのだろう、ボク以外の乗客はまったく動揺していない。向かいの席の小太りなおばさんなどは、さっきから自分の息子の事をボクに延々と喋り続けていて、動き出した事さえ知らないようだ。出発したのを教えてやったが窓の外をチラっと見ただけで、またすぐに息子の話を続けた。おばさんの息子は先の内紛で死んだらしい。爆発物処理の仕事をしていたのだが、運悪く除隊2週前に爆破に巻き込まれ死んだようだ。そしておばさんの元には息子の変わりに大金が転がり込んだと。そのお金で旅行に行くのだと。そういう事らしい。
 窓の外に目をやると、眼下のステーションはみるみる小さくなっていく。あのロビーに置いてきたバックの中にはc3プラスチック爆弾がたっぷり詰まっている。目覚まし時計で作った簡単な時限発火装置付きだ。おばさんの息子なら簡単に解除出来るだろう。窓の外、米粒程度に小さくなったステーションから音もなく小さな火柱が上がった。乗客は誰も気がついていないようだ。予定通りの爆発だったが、あと少し出発が遅れていたら自分もこの小太りおばさんも巻き込まれたかもしれない。少しやりすぎたかなと思ったけど、ボクの旅はまだまだ始まったばかり。これからはじまるこの旅の行く末に思いをめぐらせながら、ボクはひとまず眠る事にした。ボクが目を閉じてもなお、向かいの小太りおばさんは誰ともなく延々と息子の事を話し続けていた。
 つづく。



 000926A  一字入魂 

 。



 000922B  バランス 

 触れると壊れそうな人だった。ボクはその人の手をやさしくそっと握った。音もなく壊れてしまった。握った手だけが残った。悲しい事だよ。



 000922A  ie>nn>icab>>>ドリキャス 

 マックでネスケだなんてカースト最下層だからうまく見れないページが増えてきていて対応されてなくても文句いえなくてちょっぴり意地にもなっていてなんて思っていたけど結局自分でさえも己の環境の表示のされ方優先度を下げてしまったそれが世の中それが社会せめてiCabには。



 000921  ごりん 

 なに食べよっかなあ。いつも同じ定食屋で飽き飽きだよ。まったく。オリンピック見てる? 新しい飯屋開拓したいよね。でもここら辺にはこことあそこしかないし。カレリン見たいよね。カサンドラ? アレクサンダー。あそこはマズい。肉だかコゲだかわかんないし。油に浮いてるし。油プール。油壺マリンパーク。あのチアリーダーってマイナーな競技によくいるでしょ。なんか量産型だよね。やっぱりあそこはマズいよね。中華ギトギトだし。痛いよね。なに食べよっかなあ。テコンドーはスゴそうだね。卓球とか。けど見れないよね。見たいね。フェンシングとか。アーチェリーとか。新体操女子とか。飛び込みシンクロダイビング女子とか。やっぱりここしかないかなあ。冷やしはまだやってる? いつものにしよっかな。アレクサンダーマリンパーク。Aランチで。それもうひとつ。あ、ボクも。大盛りで。



 000918B  18階から 

 地面がぐんぐんと近付いてくる。落下のスピードと反比例する体感速度。蘇る記憶と沸き立つ後悔。それでもあのアスファルトに叩きつけられればすべてお終い。この世とももうすぐさよならだ。あの世なんてたぶんない。記憶も後悔も自分でさえも無に帰れる。目前まで迫ったアスファルトの側に黒ネコが見える。落下するボクを見つめている。最後の瞬間を逃さぬようにボクは目を見開き続けた。手を伸ばせばタッチ出来るほどアスファルトに近付いた時、ニャーという泣き声を耳元で聞いた。その直後にグシャッとした音を聞いた気もする。あのネコの黒い毛並みに真っ赤な鮮血がよく栄えていた。



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 000914  webzines 

 よく見るdesign系webzine、またの名をネタ元サイト。頻繁な更新によるコンテンツの豊富と、情報の詰め込み具合で憧れNo.1のサイト「k10k」。細部の作り込みや技術も憧れ。逆に技術的にはローテクなのだけど、見た目のデザインで一番好きなのは「surfstation」。英語読めなくても各コンテンツを眺めているだけでかなり楽しくて、パクりたい度No.1。ちゃんと英語読めないとおもしろさ半減なのが「sabre」とか「threeoh」などなど。「h73」と「kiiroi」も情報系? そういえば「linkdup」などの大量リンクサイトはまだ制覇してないな。数ありすぎ日々増えすぎ。あと「shift」はもうそろそろ進歩(リニュ)しないのかな。でも日本代表?zineとして(「mental」みたいに)終了しないではほしいなと。フゥー。まだまだあるけどとりあえずこのへんで…。
 デスクトップピクチャで使わせてもらってる「k10k」にあった「zero-four-five」のコレって、品川あたりだったのかーと「buro destruct」のデスクトップピクチャ(コレ)を見て気がついた。



 000907B  海に入るつもりじゃなかった 

 海に行ったらこれでもかと陽射しが強かったので、岩場から白波の立つ海に飛び込んでみました。海中は冷たく気持ちがよくて、仰向けに浮かんだまま波に漂っていました。陽射しはギラギラと海面に反射しボクを焦がします。不意に足首あたりに何か触れ、ボクを海の中へと引っ張りました。慌てて海水を少し飲んでしまいましたが、落ち着いてよく見ると藻が足首に絡まっているだけでした。その後も何度か海に飛び込んだり、ユラユラ波に揺られたり、ギラギラ陽射しに焼かれたり過ごしていたら思ったより日焼けしてしまいました。
 あんなに焼くつもりじゃなかったのに。もう肩のあたりの皮がボロボロ剥がれてきました。カサカサに焼けた肌が痒いです。焼けてないのは、短パンの後と足首を掴んでるかのような手形の後。そういえばあの岩場のあたりはよく人が流されるのを思いだしました。



 000907A  チュー 

 モチベーション低下中。ストレス蓄積中。パワー充填中。タイミング予測中。


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